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先端治療に向けて | うの動物病院(滋賀県東近江市の動物病院です。)

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Academic year: 2018

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演 題 番 号 :

演 題 名 :骨端軟骨形成不全の認められた大腿骨頭すべり症の猫の1例

発 表 者 氏 名 :○山口杏奈・高田璃羅・宇野健治 1)

伊藤元樹

2)

発 表 者 所 属 :1)うの動物病院、2)山科みやこ動物病院

はじめに:先天性および発育期の大腿骨頭骨疾患として大腿骨頭壊死すなわちレッグ・ペルテス病

がある。大腿骨骨頭の骨化点への血流障害によって起こる骨壊死を特徴とし、主に小型犬に起こり、

猫ではまれとされている。今回、レッグ・ペルテス病が疑われる猫の大腿骨頭疾患症例に遭遇したが、

大腿骨頭壊死病変は認められず、大腿骨頭骨端軟骨形成不全により骨端線の離開を引き起こした大腿

骨頭すべり症と考えられたのでその概要を報告する。

症例:猫、メインクーン、オス、1歳7カ月齢、体重7.8kg。6カ月齢時に去勢済み。主訴 は、1 カ月前からの右後肢の跛行。完全室内飼育で普段好んでいたキャットタワーを登らなくな ったり、階段を上れなくなった。犬座姿勢をとるが、すぐに横に寝てしまうということであった。 飼い主は当初、猫メインクーンに多い肥大型心筋症を疑っていた。初診時一般身体検査では、後 肢触診により、股関節の軋轢音があり疼痛所見が認められた。聴診では異常なく、股動脈圧も正 常だった。血液生化学検査では特に著変は認められなかった。X線検査では、右側の大腿骨頭の 変形、離断が認められた。以上の検査所見から、レッグ・ペルテス病や骨端部骨折を疑い、当初 は、ロベナコキシブ、トラマドールの内服療法を選択した。内服治療後、臨床症状の改善が認め られたものの1カ月後のX線検査所見においては、左後肢にも同様な変化が認められた。疼痛緩 和の最終的手段として、2 カ月後に右側大腿骨頭切除手術を実施した。引き続き、左側の大腿骨 頭切除術も行った。摘出した大腿骨頭部の病理組織所見では、レッグペルテス病に認められる大 腿骨頭関節軟骨の壊死潰瘍病変は認められず、骨端板組織の形成不全や異形成がみられた。また、 周囲性に滑膜組織の増生を伴った高度の組織炎症がみられ増殖性関節炎の組織像であった。以上 の検査所見から本症例は、骨端軟骨板に病変が主座する骨端線の離開を引き起こした大腿骨頭す べり症と診断した。両側の大腿骨頭切除術後の経過は良好で、後肢の跛行は改善し無治療にて経 過を観察している。

考察:レッグペルテス病は大腿骨頭壊死を特徴とし、骨端軟骨板の早期閉鎖と関係があり、小型犬

は性成熟が早いため本症に対しての素因を持っているとされている。一方、人の大腿骨頭すべり症は、

骨端軟骨板の肥大層の部分の機械的脆弱による骨端線の離開を引き起こす病態である。今回の症例は、

X線検査では外傷による大腿骨骨折、レッグペルテス病等が考えられたが、病理組織学的に大腿骨頭

部の骨頭関節軟骨に壊死性潰瘍病変は認められず、離断した骨頭組織の構造は正常に保たれていた。

今回の症例は、大腿骨頭骨端軟骨板に病変が主座し、骨端端軟骨形成不全ないし異形成により、骨端

線の脆弱化、離開を引き起こした症例と考えられた。本症例は、比較的体格の大きな猫メインクーン

の大腿骨頭すべり症であり、骨端軟骨板の閉鎖不全による同部位の脆弱化に起因する疾病と考えられ、

過去に報告のある猫の大腿骨頭骨端軟骨形成不全や骨端軟骨異形成症と同一のものではないかと推察

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